原子力災害に必要な知識

安定ヨウ素剤の配布

安定ヨウ素剤が有効な場合は限られる

表 安定ヨウ素剤の服用効果

安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素による汚染が起きた場合に、甲状腺への被ばく低減の目的で服用します。しかし、服用する適切なタイミングがあり、また、場合によってはヨウ素剤による副作用の可能性もあります。地形が険しい、高齢者が多いなど地域の特性にあった早めの避難対策を策定することが大切です。安定ヨウ素剤の配布も複数の対応策の一つとして検討し、各地区の住民の合意形成に導いてください。
避難時にいちばん大切なことは、その避難の必要性を冷静に判断することです。混乱の中で情報を集めることは困難を極めますが、家屋や病院が保たれていれば、屋内退避が放射線防護にとっていちばんの安全策となります。難しい判断ですが、訓練時にシミュレーションを重ねて経験を積んでおきましょう。