原発事故時の診療
放射性物質が広がらないように配慮して診療する
医療人が第一に行わなければならないことは、治療の必要がある人への適切な対応です。しかし、次の患者さんに放射性物が付着しないように、プラスチック濾紙やビニールで診察台や処置のための無影灯など患者さんが触れる物品を覆ってください。これは核医学施設用として市販されています。
事故に地震などの災害をともなった場合は、着衣や靴に付着した放射性物質を拭き 取ったり、衣服を取り換えたりする余裕がないかもしれません。しかし福島原発事故の場合でも、実際の住民の被ばく線量は、核医学検査で投与する放射性医薬品による被ばくよりもはるかに少なく、最も多く被ばくした一部住民でも、検査と同程度の2~3ミリシーベルトの被ばくに留まっています。