医師ができることは何でしょう。
患者の安全を担保することと不要な放射線への不安を住民が持たないようにすることです。
原子力災害発生時には、災害からの避難に加えて放射性物質による汚染防止が必要となります。
基本的な放射線に関する知識を習得し、冷静かつ臨機応変に行動できるような努力が日頃から必要です。
自治体ごとに危機管理室などが中心になって災害対策が準備されていますが、防災訓練に医師会等を通じて参加すること、放射線医学総合研究所(放医研)、原子力安全研究協会(原安協)など緊急被ばく医療のトレーニングコースに参加することなどで、災害発生時に対応可能なスキルを習得することができます。
特に放射線被ばくに関する不安を持つ患者や住民にとって、医師は信頼できる相手です。
福島原発事故で高齢者や重症患者が避難中に亡くなった災害関連死を教訓に、人々の生命保護の最善策を発信できるよう、リスクコミュニケーションに普段から取り組んでおきましょう。