透視でどうしても自分の手が映ります。
手を映さない手技を考案することと、指の放射線被ばく線量の計測を行ってください。
放射線診療に従事する医療スタッフの4例の皮膚がんが労災認定されています(平成24年度~平成29年度(9月7日現在))。
皮膚の障害が起こる最低線量は明確なデータがあります。
1グレイ以上の被ばくで皮膚癌のリスクは確実に上がります。
少しずつ被ばくする機会があるときは積算線量で考え、2~3グレイでリスクが上がります。
指輪のように手にはめる線量計を装着してまずは現在の線量を正確に把握してください。
手技の時の患者の皮膚表面線量は記録されていますから、そこから自身の手の被ばくを推計することもできます。
手技に難渋すると患者の皮膚線量は1グレイ以上のことが多いと思います。
手技の考案についてはデバイスを用いたり、また業者と共同開発するなど、新しいIVR手技を考える都度、照射野外に術者の手が有る状態で行えることを、先ず検討してから行ってください。
また、手指の細かな作業ではなく、圧迫等のために一部手が映る時には、遮蔽能力が充分にある防護用の手袋や圧迫用のデバイスの利用を心がけて皮膚障害の発生を防止します。