放射線診療での患者の被ばく

放射線の皮膚障害は防止できますか。

皮膚障害はスタッフの注意と努力で防止できます。

過去の主な事故事例は、CTのperfusion 撮影時の操作ミス(単純ミス)による撮影部位に一致した患者の脱毛とIVR後の皮膚潰瘍等の障害発生です。
CTの操作ミスは一般的な医療事故防止とおなじ手法で改善され、最近は報告がありません。
IVRの皮膚障害の回避にはスタッフの注意と努力が必要です。

基本は、患者線量を減らす一般的な対策(Q:IVRで患者線量を減らす有効策は何ですか)を確実に行うことです。
タイムアウトを取り、3グレイ以上の患者皮膚線量に達したときは担当者が術者に注意喚起をします。
5グレイ以上の被ばくした場合には患者に事実を伝え日常生活上の注意点や再受診についても説明をします(参考資料:IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドラインーQ&Aと解説)。

潰瘍まで進行した場合は皮膚移植が必要となります。
骨が露出するほどに障害が進行した事例の報告もあり、術者には冷静かつ客観的な判断能力が求められます。