生殖腺防護エプロンは使った方がいいですか。
生殖腺防護エプロンを使っても使わなくても患者線量はほとんど変わりません。
単純エックス線検査で防護エプロンを患者に着せる医療施設があります。
撮影部位以外に直接エックス線は照射されないので、検査室内で生じる散乱エックス線からの防護が目的です。
散乱エックス線は患者体内からが大部分ですから、実質的な効果はありません。
また、小児の股関節の撮影などで生殖腺防護をする場合がありますが、生殖腺の発達への影響がある放射線量は放射線治療のような大線量を照射した場合に限られます。
小児が動いて防護具が位置ズレして再撮影の原因になるなど,積極的に利用を勧めるものではないことを医療放射線防護関係者は認識しています。
また、防護エプロンの使用に関して施設間に差があることが、患者さんに無用な誤解を生じる原因ともなっています。
今後の統一が必要です。