放射線診療での患者の被ばく

患児の親が放射線検査に不安を持ちます。

子供のことを心配する親の気持ちを認めていることが相手に明確に伝わるように接して下さい。

疾病や外傷を理由にCTの検査受けた子供の親が、後になって過剰な行為では無かったかと心配する場合が多くあります。
主治医の言うままに検査を受けさせた、また、主治医にみずから依頼して検査を受けさせた等、不安の誘因を明らかにした上で、親の当時の行為を肯定してください。
自責の念から開放することで、冷静に説明を聞く状態となります。
成人より小児への放射線影響がはるかに強いと思う人が多いようですが、疫学調査からは多くとも2~3倍程度だと考えられています(Ozasa K et.al. Radiat Res. 229-243,177:2012)。

また、小児の体格に合わせて、必要な放射線量だけを照射していることの説明や、検査目的が臨床上合理的な判断であったことを説明します。
親の希望による検査の場合は正確な診断結果を得られたことへの当時の安心感を思い出してもらうことで、不要な被ばくをさせた訳ではないと納得できるように対応します。