放射線診療での患者の被ばく

妊娠に気づかずに放射線検査を受けました。

通常のエックス線検査であれば胎児影響を心配する必要はありません。

相談者から、検査の種別、撮影部位、撮影時の妊娠週数、検査目的、具体的な不安内容を必ず聞き出します。
撮影範囲が骨盤以外であることも多く撮影部位の確認は重要です。

また、胎児の全身被ばくとなる骨盤CTの場合でも胎児の線量は通常40ミリグレイ以下で、影響を考慮すべき100ミリグレイ以上に及ぶ検査は通常ありません。
原爆被爆者の資料などから形態異常を心配している場合は、器官形成期からはずれていれば、その説明だけで安心につながります。

また、将来の小児がんのリスク増加も100ミリグレイ以下では認められていないことも必要に応じて伝えます(出典;ICRPpubl.84妊娠と放射線)。
検査目的が健診という場合もあります。健診で異常なしと確認できてよかったと相談者が自ら考えるようにサポートしてください。